琉装

平良トミさん*1トークショーのようなイベントがあるというので行ってきた。

対丈で筒袖の芭蕉布のきものを、帯をしめずに着ていらした。それをいちどはだけて、どんなふうに着装するのか見せてくれた。肌襦袢とステテコのような肌着に、腰紐一本、その紐にひっかけるように、下前、そして上前をからげる。それだけ。袖口も全開で風が通る。涼しそう。なるほどこれなら沖縄の暑さにも快適そうだ。
それから、これも対丈で筒袖の上布の袷に着替えて、しごきの帯をささっと右前で結ぶ、それに上布の長羽織をひっかければ、どんな席にも出て行ける正装になるのだと、それも実演してくれた。着付け2分。わぁいいわぁ。ひじょうに合理的で心地よさそうだ。
40年くらい前まではふつうに見られたものだが今ではもう誰も着ていないのだそうだ。芭蕉布も上布も今では高額すぎて、庶民には手の出ないものになっているし、さもありなんだけれど、何らかのかたちで、こんな衣裳でくらせたなら、よいだろうなあ。

*1:ナビィの恋」「ちゅらさん」のオバァ