島の博物館の冬の仕事

(のの連続、とATOKにしかられちゃった)

能古博物館*1から季節毎のたより(ニュースレター「季誌能古博物館だより」)が届いた。個人でやっているようなちいさな博物館。海にむかって見晴らしがいい。渡船場からけもの道のような坂道を登り、草木の茂る館庭をたどって着く。そこにはちょっと穴場のセミナールームがあって、以前合宿研修会を計画した際に借りたことがある。それ以来、たよりを定期的に郵送してくれている。

この島は、住所は福岡市西区だが、市営渡船にほんのちょっと乗って海を渡る。コスモスや魚で知られるちいさな島で、対岸に福岡の街が見渡せる。食べ物は美味しく、人は穏やかで、芸術系の人たちが住んでいたりする。好きな場所だ。

そのニュースレターの事務局だよりから――

 今年の台風で館庭の樹木が初めて倒れました。(略)この枇杷や甘夏柑で有名な能古島にとって、今年の台風は多くの樹木を倒して通り過ぎました。一年を通しての作業を締めくくる収穫の喜びは来年か、もっともっと先になるものもあります。島の人達は黙々と身体を動かし働いています。とても辛抱強いのです。
 当館はもうすぐ冬季休館に入ります。館での仕事は外作業が主になります。暖かな日は嬉しい。でも自然と向きあって仕事をしている人達の事を考えると、どうぞ冬は冬らしく…と願います。

以前の合宿のとき、事務局の職員さんたちにはお世話になった。
もうけっこう年輩の、島に住んでいるというおばさんたちだった。気さくに親切にしてくれたのがありがたかった。あの方たちが、あのしずかな博物館の、猫たちがくつろいでいる庭で、あたたかさによろこんだりこまったりしておられる。いつもなら食べ頃の実をカラスにもっていかれてあらまあと言っている枇杷の木の、次の初夏には生りそうにない姿をみてはなげいたりしんぼうしたりしておられるんだ。ありありと想われた。
しずかに訪うてみたい。12月1日から休館だというから、行けるとしてももう来年の春になるのだが。