「使い物」

またウチダ先生のところから。*1

戦場で、小隊長から前線の兵士たちに無線が入る。
「現在位置を報告せよ」
「えっと、ですね。上には空があります。下は地面です」
というような報告をする兵士は「パス」される。
当たり前だね。
「何か麦畑みたいなところにいます。ひばりが鳴いてます。あ、ヒマワリきれい…」
なんていう報告をする兵士も「パス」
「はい、私はこのあとばりばりと功績を上げてですね、いずれは将官となって三軍に指令する立場になりたいと思っております、はい」
というような報告も「パス」
必要なのは
「はい、現在位置マルヌ橋西方300メートル。橋の東側に敵戦車一台、歩兵一個小隊。機関銃二座です。こちらが高台で遮蔽物もありますので、分隊の応援あればただちに攻撃可能です」
というような報告である。

もはやリクルートの機会からは遠くなったが、さまざまな人たちと仕事・活動をするときに、この「使い物」にならない「パス」したいような人と働かなくてはならないときは、かなり辛い。多くの場合に私は「パス」したいなあと思うような兵士をパスできる立場にない。ヒマワリきれい派の人たちにはこちらの方こそ「パス」できたらなと思われているらしいフシもある。でもそこはどこか。お花畑ではなくて戦場ですよ。何をしなくてはならない?

それにしてもじぶんがあるときには「使い物」にならない兵士だった確信があるので、そのとき一緒に働いてくれた人にはほんとうに申し訳ない。あららこれってどこかにも同じようなことを書いた。

私はどこにいるのか、何が見えるのか、どこに行けるのか、何ができるのか。
そして、そのミッションがなぜ私以外の誰によってもいまのところ代替できないのか。

求められるTPOでレスポンスできる私であるように。
サウイウモノニワタシハナリタイ

*1:http://blog.tatsuru.com/archives/000818.php 「自己アピール」って何ですか?