イルミネーション

夕刻、両親から、近くまで来ている、とケータイに電話が入る。
仕事を早めに終えて、待ち合わせる。
商業ビルの広場のようなところに、老親がふたり、つくねんと腰掛けている。
別のビルまで誘って歩いて、しずかな店で軽い和食をごちそうする。
 
クリスマスのイルミネーションの記事を見たとかで、その公園まで一緒にゆく。
夜空。くうきは冷たくなっている。
木や、東屋や、サンタ型にいろとりどりの電飾が輝く。
シャボン玉を吹き出し、ビルの壁や石の舗装に模様や文字を投影している。
わあ、きれいだね、ほら、あれを見てごらん…
ゆっくり歩いて、きょろきょろと一緒に眺める。

バス乗り場の入口で別れて、私は夜7時からの講座に出かける。
ちょっと、さみしい。
 
喉の調子がわるい。風邪のはじめかな。
 
これから、夜なべ仕事が続く。
言い訳はできない。
体調を調えるのも仕事。