妄想脳

AERA 2005.12.12 マンスリースコープ 虫の目鳥の目魚の目「脳と犯罪」より

池田(池田清彦) ぼくらの世代くらいまでは、子どもはガキ大将がいて、ヒエラルキーがあって、という疑似社会的ななかで経験を積んで、自分の行動を決めてきた。いまの若者はそういうのがなくなった社会で生まれ育ったから、他者とのコミュニケーションなしに、自分の脳のなかだけでシミュレーションして行動する。(略)
吉岡(吉岡忍) シミュレーションって、妄想だよね。ものすごく緻密な妄想。(略)
養老(養老孟司) ヒトラーがそうだよ。じつに理路整然としているが、ただ前提が間違っている。ぼくだって、理屈をぎりぎりと言い立てるときは、前提が間違ってないか、しょっちゅう注意してるよ。

養老 「悲しいから泣く」っていうじゃない。これは意識が先で、行動があとからついてくるという考え方。ところが、火に触って「熱いっ」と言うとき、意識より先に、手を離す行動を起こしている。それは脳が動かしているわけだよ。とすれば、脳が先に動いて、意識が後追いすると考えて、「泣くから悲しい」と言ったってちっとも不思議じゃない。

ひとまず引用まで。出どころを忘れないうちに…。
気になっていた一文を、正確に読み直そうと思えど、ああ…あれ、どこで読んだんだったっけ…と、それさえもこのごろはすぐに忘れている。ニワトリ頭。
こんな脳のなかみをいぢってもしょうがないが、行動*1の選択と自己点検*2だけはいぢれるのではないかなあ…。

*1:反射的行動ではなく

*2:ここでは、妄想かそれとも"現場"か、だけでも