合意の質

あるフレーズが気になり、じぶんの日記のバックナンバーを検索していた。
探したかった記事は見つからなかったが、別のことで探したかったものが発掘できた。2003年10月。
 
合意の落とし穴

  • 中途半端な、ニセの合意は、対立よりもたちが悪い。合意の質が問題。
  • 本格的な議論がないのは、その課題に愛情がないから。
  • いいグループとは、ディスカッションができること。
  • 建設的な対立がたいせつ。あるていどの摩擦はたいせつ。

 
「アベリーヌ症候群」
あるグループダイナミクスの研究者の話。彼が妻の実家に行くと、義父が「みんなでアベリーヌまでドライブしよう」と言う。彼は(こんなに暑くて車の調子も悪いのに、じっとしていたいな、いやだなあ)と思うが、「妻の意見次第で」と答える。妻は「いいわね」、義母も「お父さんの言うとおりにしましょう」というので、出かける。
案の定、暑くて埃っぽくて、クーラーもきかなくて、着いた先ではあてにしていたレストランが休みで食事もロクでもなくて、帰ってくるとみんなぐったりしてしまった。
彼は周囲に配慮して「でもそれなりに楽しかったですよね」と言うと、義母は「私はほんとうは行きたくなかったけど、お父さんが行きたそうだったから」、妻も「せっかくだから断ったらいけないと思って」と言うのだった。
見かけ上は、みんなで相談し、みんなの合意を得たこと。自らもお互いも不本意なのに。ニセの合意。