「言語表現法講義」(2)
言語表現法講義 (岩波テキストブックス) 再読了*1。
8年くらい前に読んで、傾倒した本だった。けれども今回再読していて、…で、どうするねん、と、もどかしいような思いがしてきた。私の側の関心域が移ろってきたんだなと思う。
この本は、書くことのうちでも、文芸の分野であるとか、考えることの方を扱う好著。情的、感覚的なところがあって、そこがよさでもあるのだけれど。私の関心のほうが離れてきていて、このごろはもっと実用的な言語表現法を求めているんだなとあらためてわかる。
ともあれ、じぶんのためのメモ
- 書き出しの力 >「いい加減になさい」。
- エクスキューズは取る 説明はなし、他人の冷たい目に耐える 最初に言い訳する文章で力が出る例は、皆無。
- 終わりに美辞麗句は× (略)このまとめの気分、終わりの美辞麗句、それがすべてをダメにする。学問をすら、ダメにします。
- 「ということはつまり?」 芥川
- ヨソから来るものと対話すること
- 多田道太郎の三つの−duction 演繹 deduction、帰納 induction、発想 abduction−仮説を思いつく推理の一つ、ヨソから、何の理由もなしに来るもの、空から落ちてくるゴミ
- 「感動を書く」と「感動のなかで書く」 再結晶 成仏していない モチーフしに行く
- メモ >じっとそれとにらめっこして、ここにあるのは何だろう? この人は何について自分に書いて欲しいと言ったのだったろうか、とそこではじめて考える。
- 上からのロープと下からのロープ
- いまどきの文章 半独言・半クエスチョン−「あ、そうなんだー」対立を回避している マッチョvs フェミニンな文 伝わらないことに立つコミュニケーション−言うソバから(どうせ通じないだろうけど)という呟きがもれてくる
- マクシム(格率) >自分にだけ適用する行動準則、ルール (略)永沢さんという人物は、「あなたの人生の行動規範はどういうものですか」と主人公に聞かれ、「自分がやりたいことをやるのではなくて、やるべきことをやる」ことだと、言います。 (略)モラルというのは、ダサい、といわれた時代、マクシムの形でモラルの命脈を保とうとしました。