日にち薬

日に日に、とまではいかないけれど、週ごとには、それとわかるくらい、「ふつう」に戻ってゆくのがわかる。
 
今週はというと、舗装された地面を踏んでも、固さがあんまりひびかなくなって平気で歩ける。読み書きしゃべり聞くのが、あんまりくたびれずにできる(こともある)。傷跡に衣服が擦れても、あんまり気にならない。
先週まで、そんなことが、おやまあ、意外とコタエておりました。
 
すごいなあ、回復力。
 
そうして、いっときの入院+静養のことなんて遠く過ぎたことになってゆくだろう。
そのほうがいい。けれど、今のうちにとどめておきたいなと思ったことをメモしておこう。

  • 日にち薬。時間に仕事をさせる。 ただ日にちの経つに委ねて過ごすだけで効くものは効いている
  • ゆっくり歩く 上体だけ前に進みたがっていて、進まない足との間で緊張する筋肉たち。凝らない速さで進めばいい。いつも地面からはあれだけの反作用を受けているんだな。ローインパクト。スローペースで動くのもいい。
  • 仕事に行ける 約4週間ぶりに出勤と決めた朝に、仕事に行かなくちゃ、ではなくて、さあ仕事に行ける、と一瞬だけれど思った。
  • 一見ではわからない バスで道でゆきかう人が、一見ふつうに元気でも、タテになっているだけで疲れたり、人の波の速さで歩くのが難しかったり、そんなちょっとのフィジカルなことだけでさえもわからない。ましていわんや。
  • 短いことば 友だちや同僚が、たびたび、ときどき、ケータイメールの短いメッセージを送ってくれた。人によるだろうけれど、短く、かるく、訪れてくれるそういうのが、ずいぶんありがたくて元気づけられた。そんなふうにこんどは誰かにつきあえたらいいな。相手にもよるだろうけれど。ケータイメールに限らず。
  • 自分のクビを締めない 「しんどくても自分からはなかなか言わないようですが、辛いときには辛いと言わないと自分のクビが締まりますからね」と、入院中の主治医サンから、退院後の説明で。そうかもしれない。