「心理療法ハンドブック」
- 作者: 乾吉佑,亀口憲治,東山紘久,氏原寛,成田善弘
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2005/09/01
- メディア: 単行本
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ひじょうにコンサイスなのだが、アドラー心理学の項がわかりやすげでしかも主張がある。しかし…責任転嫁し続けてずるずると治療(?)に関わっているのが好みの人や、ファンタジックな深層心理(?)好みの人などには全くウケないかも。
アドラーは、「来談者が周囲の人々と平等で協力的な関係で結びつくやいなや、その人は治癒する」と言っている。治療の目標は来談者の共同体感覚を育成することである。
(略)来談者が私的な関心を優先して共同体の利害を考慮することを見落としていたことに気づき、共同体に対してより責任ある行動を選択する決心をして、それを実行してくれれば、共同体からも来談者を受容し援助するような反応が返ってきて、来談者の問題は解決する。来談者は、自分の困難を過去の原因のせいにも周囲の人々のせいにもせず、自分の運命を自分で切り拓くことを学ばなくてはならない。
他の項もぱらぱらと。それがどのように効力があるのかよくわからない項もあるが、読者である私の力不足によるものや、各項目毎の執筆者の個性や能力によるものもあるのだろう。といっておこう。
それにしてもこの本、「これから臨床心理士を目ざす人たちのために」というから、心理臨床家志願の人たちも読むのだろうか。
これまで、カウンセラー志望というひとたちとたくさん会ってきたが、神経症にメサイアコンプレックスまでくっついたような、世にも近づきたくないような人たちが多く思われる(全部ではない)。怨憎会苦。