「わかりやすく説明する技術」
ごく当たり前のことを書いているのだが、失敗例とその問題点、解決例を挙げていることと、ビジネスでの具体的なシーンに特化していることで、使いやすいテクニック指南にはなっていると思った。心理学的アプローチのコラムも実用に即したヒントを与えていて私には親切。
- 作者: 綿井雅康,冨永敦子
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
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じぶんのためのメモ
- 報告
- 知識ネットワークの「空白」を最初に埋める(→相手の質問にピタリと対応する答えを最初に述べる)
- 意味記憶のさまざまな情報は、私たちの頭の中で、ネットワーク構造を形成している 概念同士が「リンク」によって結びつくことで、一つの意味が生まれる
- 「わからない」というのは、新しい概念を既にあるどの概念にも結びつけられなかったり、二つの概念のあいだにどんなリンクを結びつければよいか不明なとき こうした状態は、本人にとって「不快」であり、少しでも早く解消したいと思うもの
- 質問者のネットワーク構造に空いた「穴」を直ちにふさぐ回答をすることが、知識の面でも、情緒の面でも大切だといえる
- 最初にガイド情報を提供する(→最初に「総論」)
- 一番最初に、全体の把握を可能にし、必要となる先行知識や経験を活性化するための「ガイド情報」を提供する必要がある
- 「限り」がある認知活動の容量
- ミラーは、人間が一度に処理することができる情報の最大量として「7+−2」を提唱している
- 二つ以上のことが書かれた文、五十字を超えた文には7+−2以上の情報量が含まれていることが多い 一度に処理できる情報量を超えてしまえば、一部の情報が欠落したり、全体が混乱して、文全体の意味を正しくとらえることができなくなる
- 提案
- 説得とは「言語的手段により、受け手を納得させながら、その態度や行動を特定の方向へ変化させることを意図したコミュニケーション活動」
- メッセージ内容を理解してもらうだけではなく、感情的にも説得内容を受け入れてもらい、行動面での変化を生じさせる必要がある
- 最初に話の目的と提案内容を説明し、相手に『聞く準備』をさせる
- 聞く準備とは
- 「視点」を明確にする
- 「心構え」をもつ
- 先行知識や経験を「活性化」する
- 納得には専門性と信頼性がカギ
- 内在化と態度変化 内在化とは、納得してもらい、受け手自身の意見として採用してもらうこと
- 結論の提示方法 受け手が自然と結論を導き出すように仕向けることで効果が上がる 自ら選択し決断したという「自我関与感」が高まり、説得による態度変化がより強固になることが知られている
- 指示
- 知的・社会的な欲求を刺激する
- 好奇欲求は、「わかりそうだけどわからない」ときに最も高くなる また「少し努力すればできそうな」課題に対しては頑張ろうという気持ち(達成欲求)が強くなる
- 目的や条件をきちんと伝える
- 完成イメージを示す
- メタ認知 自分の考えている様子を意識させよう
- 未熟な書き手を指導するときには、頭の中でどんな活動をしていたのか、また、どんな活動をすべきなのか、を認識させる必要がある
- 部下に考えさせるための問いかけをする
- 読み手と目的を自覚させる
- 主題文を考えさせる
- 読み手がどう思うのか、なぜ理解できないのか 問題点
- どのように修正すべきかを考えさせる
- 難しいようならば考えるヒントを提示
- 大切なこと、自信がなさそうなときは、繰り返す
- 答えられないときはわかりやすく指摘する
つづく